下痢・吐くとき(受診の目安とメモ)
下痢をしたり吐いたりすると、心配になりますよね。元気で食欲もある子の一時的な不調もありますが、子犬・血がまじる・ぐったり・吐こうとしても何も出ないときは、すぐ動物病院へ。おうちでは、回数や様子をメモしておきましょう。
この記事の要点
- 下痢が2日以上続く、血がまじる・黒っぽい便、吐く・ぐったり・食べないときは、受診しましょう。
- 子犬、とくにワクチンが済んでいない子の下痢や嘔吐は、早めに動物病院へ。
- 吐こうとしても何も出ない、おなかがふくらんでくるときは、すぐ動物病院へ。大型犬に多い、急ぎの病気のことがあります。
- 回数・時間・見た目をメモし、便を持っていくと、診察の手がかりになります。
1よくある理由
健康な犬でも、とくに理由がわからないまま、ときどき吐くことはあるとされます。
よくある理由は、次のようなものです。
- 拾い食いや、ふだん食べない物を食べた
- 早食い:急いで食べて、吐いてしまうこともあります。
- 急なフードの切り替え
- ストレス:動物病院に行った、ペットホテルに預けた、など
- 寄生虫や、パルボウイルスなどの感染
- 異物:竹串、とうもろこしの芯、果物の種、ひもなどを飲みこんだ
- 牛乳:乳糖をうまく消化できず、下痢をすることがあります。
- そのほか、膵臓・腎臓・肝臓の病気、食物アレルギー、中毒など
元気があって持病もない子の急な不調は、おうちで様子を見られることもあるとされます。ただ、その前に一度、動物病院に電話で相談するのがおすすめです。
2すぐ受診したいサイン
次のようなときは、早めに動物病院へ行きましょう。
- 下痢が48時間以上続く
- 便が黒くタールのよう、または赤い血がまじる
- 吐いたものに血、またはコーヒーのかすのようなものがまじる
- 吐くのが24時間以上続く
- ぐったりしている、食べない・水を飲まない、おなかを痛がる、熱がある
- 下痢と嘔吐が一緒に起きている
- 何か飲みこんだかもしれない、毒になる物を食べたかもしれない
- 週に1回くらいでも、吐くのがずっと続いている
すぐに動物病院へ子犬、とくにワクチンが済んでいない子が吐いたり下痢をしたりしたときは、すぐに動物病院へ。パルボウイルスの感染症は、生後6週から6か月の子犬に多く、ぐったりする・食べない・吐くから始まって、血のまじる下痢になることがあります。手当てを受けないと命にかかわる病気です。高齢の子や持病のある子も、早めに相談しましょう。
3大型犬の「吐こうとしても出ない」は急いで
胃拡張・胃捻転症候群は、胃にガスや食べ物がたまってふくらみ、ねじれてしまうこともある病気です。急に進み、命にかかわるため、すぐに手当てが必要とされます。
胸の深い体型の犬や、大型・超大型の犬に多いとされ、グレート・デーン、ワイマラナー、セント・バーナード、アイリッシュ・セターなどが挙げられています。一度にたくさん急いで食べることや、1日1回にまとめて食べることとの関係も言われています。
はじめのうちは、次のようなサインが見られます。
- 吐こうとしても何も出ない
- おなかがふくらんでくる
- 不安そうな顔をする、おなかを気にする
- よだれが多い、立ったり伸びをしたりをくり返す
- 進むと、ハアハアと息が荒くなり、力が抜けて倒れることも
すぐに動物病院へこんなサインがあるときは、夜間や休日でも様子を見ずに、すぐ動物病院に電話して向かってください。早いほど、処置がうまくいきやすいとされています。
4おうちでメモすること・伝えること
原因を探すときは、吐いたものの見た目や、食事との時間の関係、飲んでいるお薬などを聞かれます。
便を持っていくと、どんな下痢かを先生に見てもらえます。
- いつ、何回あったか(日時と1日の回数)
- ごはんを食べてから、どのくらいたって吐いたか
- 吐いたもの・便の見た目(色、血がまじるか、かたさ)。スマホで写真を撮っておく
- 元気・食欲・水を飲む量・おしっこの様子
- 最近替えたフードやおやつ、拾い食いしたかもしれない物、飲んでいるお薬
- ワクチンを受けた時期(とくに子犬)
ペットフードを食べたあとに吐いたり、元気がなくなったりしたときは、まずかかりつけの先生に診てもらいましょう。できればそのフードを持っていき、あげたときの様子も伝えると安心です。
5家で気をつけたいこと(薬・食事・切り替え)
人の胃腸薬などを、自己判断で飲ませないでください。犬によっては害になることがあります。
いつでも新しい水を飲めるようにしておきましょう。下痢の間は、おやつや脂っこい物を控えるようすすめられています。
ごはんを抜く、消化のよい食事にする、といった方法は、先生の指示に合わせましょう。消化のよい手作りの食事は栄養がかたよるので、長く続けるものではありません。
フードを替えるときは、1〜2週間かけて新しいフードの割合を少しずつ増やします。急に替えると、吐いたり下痢をしたりすることがあります。
ごはんは、1日分を何回かに分けて。1日1回だと、慌てて飲みこんでしまうことがあります。
下痢や嘔吐が長く続く犬では、早いうちに除去食試験を考えるのがよいとされています。食物アレルギーの犬のおなかのサインは、ほとんどが下痢だったそうです。
6今日からできること
- 吐いた・下痢をした日時と回数、様子をメモし、写真を撮る。
- 受診するときに便を持っていくか、電話で聞いてみる。
- ひも、竹串、とうもろこしの芯、果物の種、小さなおもちゃは、犬の届かないところへ。
- 人の薬は、自己判断で飲ませない。
- フードを替えるときは、1〜2週間かけて少しずつ。
- 子犬はワクチンの時期を確かめ、済むまでは吐く・下痢にとくに気をつける。
- 大型犬や胸の深い犬は、ごはんを1日何回かに分けて、一気に食べさせない。
このテーマのフード一覧
このページは、飼い主さん向けの一般的なお話です。気になる様子があるときや、持病のある子のごはんは、かかりつけの先生に相談してくださいね。
参考にした資料(11件)
- コーネル大学 獣医学部 Riney Canine Health Center「Diarrhea」(2024) www.vet.cornell.edu/departments-centers-and-institutes/riney
- ワシントン州立大学 獣医学部 動物病院(WSU Veterinary Teaching Hospital)「Vomiting pets」(2021) hospital.vetmed.wsu.edu/2021/12/15/vomiting-pets/
- コーネル大学 獣医学部 Riney Canine Health Center「Vomiting」 www.vet.cornell.edu/departments-centers-and-institutes/riney
- ワシントン州立大学 獣医学部 動物病院(WSU Veterinary Teaching Hospital)「Managing acute gastroenteritis in dogs」(2025) hospital.vetmed.wsu.edu/2025/01/14/managing-acute-gastroente
- コーネル大学 獣医学部 Riney Canine Health Center「Parvovirus: Transmission to treatment」(2024) www.vet.cornell.edu/departments-centers-and-institutes/riney
- ACVS(米国獣医外科専門医協会)「Gastric Dilatation-Volvulus」 www.acvs.org/small-animal/gastric-dilatation-volvulus/
- 環境省 自然環境局 動物愛護管理室「飼い主のためのペットフード・ガイドライン ~犬・猫の健康を守るために~(4.体調管理について)」(2018) www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/petfood_guide
- 環境省 自然環境局 動物愛護管理室「飼い主のためのペットフード・ガイドライン ~犬・猫の健康を守るために~(2.市販のペットフードについて)」(2018) www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/petfood_guide
- 環境省 自然環境局 動物愛護管理室「飼い主のためのペットフード・ガイドライン ~犬・猫の健康を守るために~(5.Q&A)」(2018) www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/petfood_guide
- 環境省 自然環境局 動物愛護管理室「飼い主のためのペットフード・ガイドライン ~犬・猫の健康を守るために~(1.最初に知っておきたいこと)」(2018) www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/petfood_guide
- Mueller RS, Olivry T(ミュンヘン大学・ノースカロライナ州立大学), BMC Vet Res 14:341「Critically appraised topic on adverse food reactions of companion animals (6): prevalence of noncutaneous manifestations of adverse food reactions in dogs and cats」(2018) pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC6233561/
確認日:2026-10-22。獣医師の監修は受けていません。上の資料をもとに、運営者がまとめています。