犬に食べさせてはいけないもの
おいしそうに見上げてくる顔に、つい分けてあげたくなりますよね。でも、人の食べ物には犬の体に害になるものがあります。チョコレート、ぶどう・レーズン、キシリトール、ねぎ類などは、少しでもあげないで。食べてしまったら、元気そうでもすぐ動物病院に電話しましょう。
この記事の要点
- チョコレート、ぶどう・レーズン、キシリトール、玉ねぎなどのねぎ類、アルコール、マカダミアナッツは、あげないでください。
- どのくらいの量で危ないかは、食べた物や体の大きさで変わります。ぶどうは、危ない量がまだわかっていません。
- 食べてしまったら、元気そうに見えても、すぐに動物病院へ電話を。食べた物の袋や残りを手元に。
- 自己判断で吐かせようとせず、まず電話で相談しましょう。
1食べさせてはいけない主なもの
人の食べ物でも、犬には害になることがあります。次のものは、少しでもあげないようにしましょう。
- チョコレート・ココア:テオブロミンとカフェインという成分が害になります。犬はこれをゆっくりしか分解できず、影響が長く続きます。カカオの多いチョコや製菓用のチョコ、ココアパウダーほど危ないとされます。吐く・下痢・心臓がどきどきする・落ち着かない・けいれんなどが、食べて数時間のうちに出ることがあります。
- ぶどう・レーズン(干しぶどう):腎臓をこわすことがあります。ぶどうに含まれる酒石酸(しゅせきさん)が原因ではないかと考えられています。何粒までなら大丈夫、という量はわかっていません。皮も与えないでください。腎臓をいためた犬は、はじめに吐くことが多く、おしっこが減るのは重いサインとされます。
- キシリトール:ガム、キャンディ、歯みがき粉、一部のピーナッツバターなどに入っています。犬では血糖値が急に下がり、吐く・ふらつく・倒れる・けいれんなどが、食べて10〜60分ほどで出ることがあります。肝臓をいためることもあります。
- 玉ねぎ・長ねぎ・ニラ・にんにく:赤血球をこわす成分があり、加熱しても消えません。ハンバーグやカレー、玉ねぎのエキスがしみ出たみそ汁や、すき焼きの煮汁もあげないで。
- アルコール:吐く・下痢・ふらつきなどが出て、命にかかわることもあります。発酵中のパン生地は、おなかの中でアルコールを作り、ふくらんでガスがたまるので、とくに危険です。
- マカダミアナッツ:力が入らない、ふらつく、元気がなくなる、吐く、ふるえる、体温が上がる、などが出ることがあります。
どのくらいの量で症状が出るかは、食べた物の種類や、体の大きさなどで変わります。同じ量のチョコレートでも、体の小さな子ほど重くなりやすいとされます。「少しだから大丈夫」と思わないでくださいね。
2ほかにも気をつけたいもの
次のものも、犬の体に負担になることがあります。
- コーヒー・緑茶・紅茶など:カフェインで、下痢や嘔吐、けいれんなどが起こることがあります。
- 鶏の骨:かんで割れるととがり、のどや胃腸を傷つけることがあります。
- 塩分の多い食べ物:ハム、ウインナー、味つけしたおかずなどは、塩分のとりすぎになりやすいとされます。とりすぎると、のどが渇く・おしっこが増える、などが出ることがあります。
- 香辛料:肝臓に負担がかかることがあるとされます。
- 生肉・生卵:細菌や寄生虫の心配があります。生の卵白を続けてあげると、ビオチンという栄養が足りなくなることもあります。
- ナッツ類:油分が多く、吐く・下痢などのもとになることがあります。
- 人用のサプリメント・お薬:人では安全でも、犬には害になるものがあります。
- 観葉植物:ユリ、チューリップの球根、ポインセチア、アサガオの種などは、中毒を起こすことがあります。
キシリトールは、ガムのほかにも、歯みがき粉、マウスウォッシュ、口臭ケアのミント、せき止めシロップ、かむタイプのビタミン剤などに入っていることがあります。人のものを犬に使わず、原材料の表示を確かめましょう。
3食べてしまったら
食べてしまったかも、と思ったら、元気そうに見えても待たずに、すぐ連絡しましょう。毒の多くはあとから症状が出てきて、症状が出てからでは手当てが難しくなることがあるためです。
キシリトールのように、重い症状が12〜24時間たってから出ることもあります。
まず、かかりつけの動物病院に電話を。つながらないときや夜間・休日は、救急の動物病院に相談しましょう。
電話では、次のことを聞かれます。
- 何を、どのくらい、いつ食べたか
- 食べた物の袋や箱、残り(成分や濃さがわかるもの)
- 犬の体重・年齢・犬種・持病
- 今の様子(吐いた、ふるえている、など)と、おうちですでにしたこと
すぐに動物病院へ意識がない、息が苦しそう、出血している、けいれんしているときは、すぐに動物病院へ向かってください。自己判断で吐かせようとせず、必ず先に相談を。鼻の短い犬種などでは、吐かせることがすすめられない場合もあります。
4おうちでの置き場所と習慣
誤飲(食べ物でない物を飲みこむ事故)は、ちょっと目を離したすきに起こりがちです。とくに子犬は、いろいろな物を口に入れるので気をつけましょう。
- チョコレートやお菓子は、犬の届かない戸棚へ。
- テーブルの上の食べ物、ゴミ箱、カバンの中のガムにも気をつける。
- 竹串、とうもろこしの芯、大きな種のある果物は、そのままあげない。
- 玉ねぎを使った料理の残りや煮汁は、犬のお皿に入れない。
- 家族やお客さんにも、「あげてはいけない物」を伝えておく。
あげてよい物か迷ったら、あげる前にかかりつけの先生に聞いてみましょう。
5今日からできること
- あげてはいけない物を、家族みんなで確認する。
- チョコレート、ガム、ナッツ、ぶどう・レーズンは、犬の届かない場所にしまう。
- 歯みがき粉やガム、お菓子の原材料に「キシリトール」がないか見る。
- かかりつけの動物病院と、近くの夜間救急の動物病院の電話番号を、スマホに登録しておく。
- 食べてしまったら、袋や残りを手元に置いて、すぐ電話する。
- おやつのあげ方は、おやつのガイドも見てみてくださいね。
このページは、飼い主さん向けの一般的なお話です。気になる様子があるときや、持病のある子のごはんは、かかりつけの先生に相談してくださいね。
参考にした資料(11件)
- 環境省 自然環境局 動物愛護管理室「飼い主のためのペットフード・ガイドライン ~犬・猫の健康を守るために~(1.最初に知っておきたいこと)」(2018) www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/petfood_guide
- ASPCA 動物中毒管理センター(ASPCA Animal Poison Control Center)「People Foods to Avoid Feeding Your Pets」 www.aspca.org/pet-care/aspca-poison-control/people-foods-avo
- 米国 FDA(食品医薬品局)動物用医薬品センター「Leave Chocolate Out of Rover's Celebrations」(2024) www.fda.gov/animal-veterinary/animal-health-literacy/leave-c
- 米国 FDA(食品医薬品局)「Paws Off Xylitol; It's Dangerous for Dogs」(2025) www.fda.gov/consumers/consumer-updates/paws-xylitol-its-dang
- Eubig PA ほか(ASPCA 動物中毒管理センター), J Vet Intern Med 19(5):663-74「Acute renal failure in dogs after the ingestion of grapes or raisins: a retrospective evaluation of 43 dogs (1992-2002)」(2005) pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/16231710/
- Wegenast CA ほか(ASPCA 動物中毒管理センター・コーネル大学ほか), J Vet Emerg Crit Care 32(6):812-816「Acute kidney injury in dogs following ingestion of cream of tartar and tamarinds and the connection to tartaric acid as the proposed toxic principle in grapes and raisins」(2022) pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35869755/
- Altman KD ほか, Front Vet Sci(序論の記述を使用)「A multicenter, retrospective, cross-sectional analysis of fresh and processed Vitis vinifera (grape) ingestion in dogs and cats」(2026) pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC13533654/
- ASPCA(米国動物虐待防止協会)「What to Do if Your Pet Is Poisoned」(2019) www.aspca.org/news/what-do-if-your-pet-poisoned
- ASPCA(米国動物虐待防止協会)「What to Expect When Calling ASPCA Poison Control」(2020) www.aspca.org/news/what-expect-when-calling-aspca-animal-poi
- 環境省 自然環境局 動物愛護管理室「飼い主のためのペットフード・ガイドライン ~犬・猫の健康を守るために~(4.体調管理について)」(2018) www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/petfood_guide
- 環境省 自然環境局 動物愛護管理室「飼い主のためのペットフード・ガイドライン ~犬・猫の健康を守るために~(5.Q&A)」(2018) www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/petfood_guide
確認日:2026-10-22。獣医師の監修は受けていません。上の資料をもとに、運営者がまとめています。