ドッグフードの表示の読み方(目的・原材料・成分)
袋の裏の小さな文字、つい読み飛ばしてしまいますよね。でもそこには、うちの子に合うかどうかを見分けるヒントがつまっています。まずは「総合栄養食」の文字と、どの年齢向けかを探してみましょう。
この記事の要点
- 主食には「総合栄養食」を。どの成長段階向けか(子犬・成犬・全成長段階など)も書かれています。
- 原材料は、添加物以外のものを使った量の多い順に書き、そのあとに添加物を書くルールです。
- 成分のたんぱく質・脂質は「以上」、粗繊維・灰分・水分は「以下」で書かれます。
- ペットフードは薬ではないので、病気の治療ができるかのような表示はできません。
1法律で決まっている5つの表示
ドッグフードの表示は、おもに2つのルールで決まっています。農林水産省と環境省が共同で受け持つペットフード安全法と、業界が景品表示法にもとづいて決めた公正競争規約です。
ペットフード安全法では、国内で売られる犬・猫のフードに、次の5つの表示が義務づけられています。
- 名称:商品名。犬用か猫用かがわかるように書かれます。
- 賞味期限:決められた方法で保存したときに、栄養や品質が保てる期限です。おいしさだけでなく、栄養のバランスなども保たれている必要があります。
- 原材料名:使った原材料と添加物が、原則すべて書かれます。
- 原産国名:最後の加工をした国です。日本なら「国産」と書くこともできます。
- 事業者の名前と住所:製造者・輸入者・販売者のどれかと一緒に書かれます。
犬と猫では必要な栄養が大きく違い、犬用には使えても猫には使えない添加物もあります。犬と猫を一緒に飼っているおうちでは、「犬用」の文字を確かめてくださいね。
2総合栄養食・間食・療法食の違い
公正競争規約では、フードの「目的」を書くことになっています。
- 総合栄養食:毎日の主食にするフードです。新鮮な水と一緒にあげるだけで、その成長段階の健康を保てるように栄養が整えられています。基準を満たすことは、分析試験か給与試験で確かめます。
- 間食(おやつ・スナック):ごほうびやコミュニケーションのためのもの。欲しがるままにあげて栄養のバランスがくずれないよう、1日にあげていい量や回数が書かれています。
- 療法食:病気のときに栄養の面から治療を支えるフードで、獣医師の指導のもとで使います。自己判断で長く使うと、かえって健康をそこなうおそれもあるとされます。
- その他の目的食:「一般食(おかずタイプ)」「栄養補完食」「副食」などと書かれたもので、総合栄養食ではありません。いっしょにあげる食事の内容や量が書かれています。
総合栄養食には、どの成長段階向けかが必ず書かれています。「幼犬期・成長期(グロース)」「成犬期・維持期(メンテナンス)」「妊娠期・授乳期」、そして哺乳期をのぞく全部を満たす「全成長段階(オールステージ用)」です。日本の総合栄養食の基準は、米国のAAFCO(米国飼料検査官協会)の基準をもとにしています。
3原材料は、使った量の多い順
原材料は、添加物以外の原材料を使った量の多い順に書き、そのあとに添加物を書くルールです。
「穀類(コーン、小麦粉)」「肉類(チキンミール、ポークミール)」のように、分類ごとにまとめて書く方法も認められています。ただ、食物アレルギーのある子もいるので、今は原材料を一つずつ書くフードがほとんどだそうです。
甘味料、着色料、保存料、増粘安定剤、酸化防止剤、発色剤として使う添加物は、「酸化防止剤(ミックストコフェロール)」のように、何のために使ったかも一緒に書かれます。
商品名や写真で「ビーフ」「チキン」などをうたえるのは、その原材料を5%以上使っている場合だけです。
原材料の一覧だけでは、フードの良し悪しはわかりにくい、と大学の栄養の専門家は言います。原材料の質や、栄養がちょうどいい量になっているかまでは書かれていないからです。一覧は、うちの子にあげたくないものが入っていないかを確かめるのに使うのがおすすめです。
4成分の「以上・以下」の読み方
成分(保証分析値)は、たんぱく質、脂質、粗繊維、灰分、水分の5つを、重さの割合(%)で書きます。
- たんぱく質・脂質は「〇%以上」:少なくともこれだけは入っている、という意味です。
- 粗繊維・灰分・水分は「〇%以下」:多くてもこれ以下、という意味です。
- 多くのフードには、100gあたりのカロリー(kcal/100g)も書かれています。1日に必要なカロリーがわかれば、1日の量を計算できます。
水分の量は、ドライ・セミモイスト・ウェットで大きく違います。%の数字だけでドライとウェットを比べるのはむずかしいので、迷ったら先生に聞いてみましょう。
5表示で禁止されていること
公正競争規約では、消費者がまちがえて選ばないように、次のような表示を禁止しています。
- 根拠なく「特選」「最高」「No.1」などと書くこと
- ほかの会社のフードを、根拠なく「危ない」「病気になりやすい」などと悪く言うこと
- 賞や推奨を受けていないのに、受けたように見せること
- 原材料や作り方が、実際よりずっとすぐれているように見せること
- 中身にくらべて大きすぎる箱や袋(過大包装)
ペットフードは薬ではありません。療法食でも、フードで病気の治療ができるかのような表示はできないとされています。そうした内容をうたうと、動物用医薬品として別の法律の規制を受けることがあります。人の食品の「トクホ」や「機能性表示食品」のような制度も、ペットフードにはありません。
6今日からできること
- 今のフードの袋で「総合栄養食」の文字と、成長段階を探す。
- 与え方の量を目安に、はかりで量ってあげる。
- 「kcal/100g」を見て、1日のカロリーを計算してみる。
- おやつの袋で、1日にあげていい量や回数を確かめる。
- 原材料の一覧で、うちの子にあげたくないものが入っていないか確かめる。
- ドライフードは開けてから1か月くらいを目安に使い切る。袋をしっかり閉じて、直射日光の当たらない、湿気の少ない場所に置く。
- 輸入フードなら、英語の表示も見てみる。「complete and balanced」(総合栄養食にあたる)や「all life stages」(全成長段階)が目印です。
このテーマのフード一覧
このページは、飼い主さん向けの一般的なお話です。気になる様子があるときや、持病のある子のごはんは、かかりつけの先生に相談してくださいね。
参考にした資料(14件)
- ペットフード公正取引協議会「公正競争規約に基づく必要表示事項及び表示制限について」 pffta.org/label/required_fair_competition/
- 環境省 自然環境局 動物愛護管理室「飼い主のためのペットフード・ガイドライン ~犬・猫の健康を守るために~(2.市販のペットフードについて)」(2018) www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/petfood_guide
- ペットフード公正取引協議会「表示の基礎知識 08.原材料について」 pffta.org/basic/08.html
- ペットフード公正取引協議会「表示の基礎知識 07.成分(保証分析値)について」 pffta.org/basic/07.html
- ペットフード公正取引協議会「表示の基礎知識 03.ペットフードの目的について」 pffta.org/basic/03.html
- 農林水産省 消費・安全局 畜水産安全管理課「ペットフードの安全関係(ペットフード安全法 事業者のみなさま向けページ)」 www.maff.go.jp/j/syouan/tikusui/petfood/
- ペットフード公正取引協議会「ペットフード安全法に基づく必要表示事項について」 pffta.org/label/required_safety_pet_food/
- ペットフード公正取引協議会「表示に関するQ&A」 pffta.org/faq/
- ペットフード公正取引協議会「表示の基礎知識 02.必要表示事項について」 pffta.org/basic/02.html
- ペットフード公正取引協議会「表示の基礎知識 05.療法食について」 pffta.org/basic/05.html
- タフツ大学 獣医学部 臨床栄養チーム(Petfoodology、Cummings School of Veterinary Medicine)「Stop reading your pet food ingredient list!」(2019) sites.tufts.edu/petfoodology/2019/03/01/stop-reading-your-pe
- タフツ大学 獣医学部 臨床栄養チーム(Petfoodology、Cummings School of Veterinary Medicine)「Important information you could be misreading on the pet food label」(2016) sites.tufts.edu/petfoodology/2016/01/26/important-informatio
- 環境省 自然環境局 動物愛護管理室「飼い主のためのペットフード・ガイドライン ~犬・猫の健康を守るために~(4.体調管理について)」(2018) www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/petfood_guide
- 環境省 自然環境局 動物愛護管理室「飼い主のためのペットフード・ガイドライン ~犬・猫の健康を守るために~(3.ペットフードの保存方法)」(2018) www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/petfood_guide
確認日:2026-10-22。獣医師の監修は受けていません。上の資料をもとに、運営者がまとめています。